災害時の食生活で気になる「栄養バランス」
私は以前、やみくもに非常食を買い漁っていましたが、ふと気づくと「炭水化物だらけの備蓄」になっていました。
具体的には、レトルトやパスタの素(つまりは油)ばかり。一見しっかりと栄養を取れる気になりがちですが、栄養価が高いとは言えませんよね。
私のように偏った備えにならないためにするにはどうすればいいのでしょうか?
- 非常食を備えたい
- 栄養バランスを考えた備蓄をしたい
Contents
主食・主菜・副菜に分けて考える
防災食といっても普段の食事の栄養バランスと考え方は同じです。主食・主菜・副菜に分けて、とりたい栄養を非常食で補うにはどの食材を使えば良いかを考えます。
主食
先程、炭水化物ばかりになってしまったと書きましたが、炭水化物も立派なエネルギー源なので大切です。
主食として備えておきたいもの
- アルファ米
- パスタやそうめんなどの乾麺
- パンの缶詰
- シリアル
- レトルトのご飯
- カップ麺
レトルトのカレーなどは、主菜ではなくごはんにかけるソース。食べる場合は副菜を多くとるなどの工夫をしてバランスを摂るように心がける。
おにぎりやパンは支給されることも多いけど…
災害時に支給される食材は、野菜や肉などに比べ、おにぎりやパンが多いです。炭水化物は活動のエネルギー源になり、お腹にたまりやすいという理由からですが、同じものばかりでは飽きてしまいますよね。
自分で備えておく主菜(米)は、チャーハンや、出汁の味が染みている炊き込みご飯など白米以外の味がついているものを用意しておくと飽きずに食べられます。
子どもやお年寄りがいるご家庭であれば、おかゆなどの柔らかい主食も重宝します。
麺類はパスタが便利
カセットコンロがあり、お湯をわかすことができる状況であれば麺類のストックはパスタ麺が便利です。一般的には麺を茹でる際に塩を入れますが、入れなくても茹でられます。
素麺やうどんは塩分が多いため、茹で汁がしょっぱくなりがちですが、パスタ麺は塩を加えない限り、茹で汁を温かいスープとして飲むことができます。
イモ類で栄養を摂ってもOK
じゃがいもなどのイモ類も、炭水化物で立派なエネルギーとなります。
イモは生のままだと固くて料理に使えないと思われがちですが、マッシュポテトの素や冷凍のフライドポテトなどを備蓄しておくという手もあります。
少しの塩など調味料がシンプルでもとても美味しくいただるのでオススメです。
主菜
主菜として備えておきたいもの
- 魚介類の缶詰
- 肉類の缶詰
- 大豆のドライパック
そのまま使える缶詰が便利
缶詰は調理済みのものが便利です。火を通す必要がなく、そのまま食べたり、他の具材と和えて使うなどの工夫次第で立派なおかずになります。
味がついているものは、調理時間の短縮にもなります。普段からいろんな缶詰商品を食べてお気に入りの缶詰をストックしておきましょう!
缶詰を使うときの注意点
- 冷暗所に保管する
- 賞味期限に注意する
- 缶が膨れているものは食べない
- 変なにおいがするものは食べない
- 開けたら使い切る
- 缶をそのまま温めない
- 缶切りを用意しておく
魚・肉・大豆をバランスよく取り入れる
魚であれば、ツナ缶、サバ缶、いわし缶などの商品が多くありますが、味噌やしょうゆなどの味がついているものが美味しいです。タレも美味しいのでご飯が進みます。ただし、塩分を撮りすぎてしまうこともあるので、油は少量にしておくなどの工夫が必要です。
肉も、スパム缶やコンビーフだけでなく、和風の味付けの焼き鳥缶や、牛肉の大和煮などの缶詰も売られています。スパム缶などは容量が多いことが多いのでグラム数に注意して、一度に食べ切れるサイズのものを買っておくと無駄なく使い切ることができます。
私はスパム缶を買ったら、1センチずつくらいに切ってラップでぴっちりとつつんで冷凍しています。常温にして解凍し主菜としておにぎりの具にしたり、野菜炒めや、ガパオライスの具などにして日頃から使っています。
大豆製品は、植物性タンパク源となります。特に子どもには欠かせない栄養素(アミノ酸)が含まれるので非常時には意識して食べたいものです。豆以外にも、高野豆腐は常温で長持ちするのでオススメです。また、消化がよいため、豆に比べてお腹が張りにくいのも特徴です。
副菜
副菜として備えておきたいもの
- 保存のきく根菜類
- 野菜の水煮缶
- 乾物
- 野菜ジュース
ビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれるものを副菜でいただきます。主に、野菜やイモ類、きのこ、海藻類などを、根菜や素材缶、ドライパック、野菜ジュース、乾物で用意しておくと良いと思います。
野菜は根菜類をきらさない
保存がきく野菜といえば、じゃがいも、にんじん、さつまいも、玉ねぎ、かぼちゃ、大根などです。涼しい場所に保管するなど工夫すれば長くもつので、普段から少し多めに買っておきましょう。
これらの食材をきらさないようにしておくと、災害時でも生の野菜を食べることができます。生の野菜は缶詰やフリーズドライの野菜と違い、満足感もあり、料理の幅も広がります。
乾物の使い方・味を知っておく
乾物は、使いたい分だけ戻して使えるので昔から長期保存食として親しまれてきましたが、最近では「戻す」ということが面倒なので避けている人も多いようです。
そこで短い時間でもすぐに使える乾物が「乾燥ワカメ」。サラダにしてもお腹がいっぱいになります。
「とろろこんぶ」も使いやすいです。そのままご飯と一緒に食べても美味しいですし、お湯を注げばおい吸い物になります。
おやつも立派な非常食
いつも食べている好きなものを
災害時のおやつはホッとできる「心の栄養」です。
あえてカロリーなどは気にせずに好きなものを用意しておきましょう。私もやってしまいがちなのですが、いただいたものを置いておくというよりは、本当に自分の好きな食べ慣れたお菓子を用意しておくほうがいいと思います。
我が家はパンを常備しています
私はおやつとしてよくパンを食べるので、缶に入ったパンを備蓄しています。開けてすぐに食べられ、ふわふわの食感を楽しめるのもパンの魅力です。パン好きの人は、おやつとして用意しておくといいかもしれません。
素朴な味で、ほんのり甘みがあるものがオススメです。
注意しておきたいこと
普段から缶詰を使って料理する
缶詰によっては、油まで調理に使えるものや、汁は捨てて使う方が良いものなど様々です。普段から缶詰を使って調理し、料理のレパートリーを増やしておくと、いざというときに安心です。
一般的に一番馴染みがあるのはツナ缶だと思いますが、他にも様々な商品がうられています。あさりの缶詰や、白アスパラガスの缶詰など、スーパーに行けば手に入ります。これらを使ってみて、どのような調理ができるか考えておくのがいいと思います。
塩分過多にならないように
子どもやお年寄り、血圧を気にされている方が特に気をつけたいのが「塩分」
調理済みの味がついている缶詰は塩分が多いため注意しましょう。野菜と和えて使ったり、油や汁は捨てるなどの工夫を。
またカップ麺を食べるときは、味をつけるシーズニングソースの量を減らしてみたり、汁は飲まずに捨ててしまいましょう。
水は多めに用意しておく
様々な料理に欠かせない「水」は、多めに用意しておきましょう。どんなものを食べるときにも必要不可欠です。逆に、水さえ多めにあれば、乾物を戻すときや、アルファ米を食べるときにも助かります。
1人あたり3リットルを目安に3日分は用意しておきたいです。
まとめ
防災食や非常食として売られているいわゆる「レトルト」ものは、調理の手間が少なく便利なものが多いですが、栄養バランスや塩分を考えると少し不安です。
災害時でも栄養バランスを考えた食事を摂るために、【主食・主菜・副菜】+【おやつ】に分けて食材を備蓄してみてください。